生前整理、形見分けの品について

人生を振り返る中で、遺品整理と生前整理について考えさせられることがありました。人からもらったものに文句を言うのはよろしくありません。どうしても「あげた側」「もらった側」で価値観の相違が出てくるのは仕方がないことかもしれません。

少し前に祖母が亡くなりました。長い間介護老人ホームに入っていて、意識がもうろうとしていたのですが、眠るように亡くなったのです。祖母はそれよりずっと前、20年ほど前に祖父がなくなったことを契機に感じたのか、それまでの物持ち主義から少しずつ変化をし、身の回りの持ち物を削り落としていたようです。

その頃私は遠方で一人暮らしをしていたのですが、ある時帰省中に「あなたにこれをあげるわ」と、ものすごく手の込んだ七宝焼きのブローチを差し出されたことがあります。正直、内心では何これ!こんなの付けるわけないじゃん!と思ったのですが、横から母が「もらっておきなさい」とそっと言うので、何も言わずに受け取りました。

こんな風に、祖母は色々な人たちに持ち物を配っていたようです。その結果、亡くなった後の遺品整理では、ごく少数の整理があっただけで、私の両親もさほど手を煩わせることなく済んだようです。

件のブローチは、若かった頃こそ「年配向けで嫌」と思っていたのですが、自身が年齢を重ねるにつれて「けっこう使えそう」と思うように。業者に頼んでペンダントにリメイクしたのですが、中年になった自分には割と似合うように思えます。月日が経つにつれ、形見分けの品として重要視するようになりました。

人によって様々な思いが交錯する遺品整理だと思いますが、私の場合は祖母の生前整理を受け入れておいてよかった…、今ではそんな風に思っています。